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砕氷艦『しらせ』
前回に続いて艦船ネタです。まだ夏の名残があった9月のこと、お隣の周南市に南極観測船『しらせ』が寄港しました。南極観測基地『昭和基地』に物資や交代の観測隊員を送り届け、帰還する隊員や観測活動で発生する廃棄物を載せ帰るのが任務の、日本の南極観測を支えるため走り続けている艦です(^^)

しらせ艦首
艦首方向から見た砕氷艦『しらせ(2代)』。オレンジの船体に艦名とともに鮮やかに描かれているのは艦番『AGB-5003』の数字部分。艦橋の前にそびえる物資を積み卸しするクレーン装置に注目。写真左下に見える白服の人物は『しらせ』の機関長さん。

いちおう『南極観測船』とか『砕氷船』とかいわれていますが、実は最大級の海上自衛隊所属艦艇であり、観測隊員をのぞく乗組員は海上自衛隊員で、海賊対策などのため武器も積んでいることから『砕氷船』ではなく『砕氷艦』です。艦尾には日本の海上自衛隊所属であることを示す、かつては軍艦旗と呼ばれた旗『自衛艦旗』が誇らしげに海風にひるがえっています。

艦名の『しらせ』は日本人として初めて南極の地に足跡を残した『白瀬 矗(しらせ・のぶ:1861-1946年)』の名前からと思われがちですが、実はちょっとだけ違います。南極には白瀬の偉業をたたえてその名がつけられた『白瀬氷河』という氷河があるそうですが、そこからとられた名だそう。自衛隊の艦船には人名をつけないという決まりがあるためで、しかし艦名を公募したところ、白瀬 矗にちなむ『しらせ』の名が多かったということで、その由来を白瀬氷河とすることで規則を半ば無理矢理クリアしたという、苦労の命名なのです(^^;)

しらせヘリポート
『しらせ』艦尾に拡がるヘリポート。我が息子がジャマでよく見えませんが(笑)後方に見える格納庫に3機が格納できます。この日は艦内公開のための寄港ということで、ヘリはお留守。

近づいてみると、さすが荒れる南海をものともしない艦、けっこうな迫力です。それでも外洋航行をする艦船としてはそう巨大でもない12000t、140mほどの大きさ。4機のディーゼル主機から交流電動機を介して2本の主軸を駆動する出力は3万馬力。氷がなければ最大で時速19.5ノット(およそ時速36km)で航走でき、1メートルを超える厚さの氷があっても停止することなく連続砕氷しながら航行できる性能は、世界トップクラスのものです。

現『しらせ(2009年〜)』は日本の南極観測船としては『宗谷(4000t)』『ふじ(5200t)』『しらせ(初代・11000t)』に続く4代目です。当初は初代しらせを大きく上回る2万t級の計画だったそうですが、予算などの兼ね合いで現在の大きさに落ち着いたとか。また歴代観測船には例外なく高性能の輸送ヘリコプターが搭載されていますが、これはタロ・ジロの奇跡の生還で知られる、使役犬を置き去りにせざるを得なかったようなたぐいの悲劇を繰り返さないためでもあります。幸いなことに、そういった目的でヘリが使用されたことは今のところないそうですが(^^)
宗谷:(1938-1978年、南極観測船としては1956-1962年:記念艦として現存、東京・船の科学館にて公開中)
ふじ:(1965-1984年:記念艦として現存、名古屋港にて公開中)
しらせ【初代】:(1982-2008年:ウェザーニューズ社に売却後『SHIRASE』と改称、千葉・船橋港にて公開中)

しらせ艦尾
オレンジ色の鮮やかな船体色にも負けていない、深紅の旭日旗『自衛艦旗』はためく艦尾。

この日は艦内の一部も公開されていたので、一通り見学してみました。艦内には観測隊員たちの居室(訓練航海中なので、この時は空室)が並び、医務室や食堂などが備えられていたり、くるくる看板があったので中をのぞいてみると見事に床屋さんだったり。各装備は簡素でも数ヶ月にも及ぶ航海にも耐える機能が揃っています。見上げるほど高い艦橋に登って外を見れば海面がはるか下にあり、それでも荒天時には艦橋の窓さえ荒波に洗われるそうですので、想像するだけでコワい南極の海・・・(T_T)

我々には想像するしかないですが、『しらせ』を見学して南極という地に達するにはこれほどの装備が必要であり、そこがいかに過酷な環境であるか少しは理解できたような気がします。そこに物資や観測隊員を送り届ける人々や、南極にとどまって観測を続ける人々など、大変な仕事をしておられる方々の無事を祈らずにはいられない一日でした。
| お出かけ | 09:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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